老後の年金資格や受給中の年金は自己破産で差押えられないの?

基本的に自己破産すると、時価20万円以上の物はすべて、破産財団になります。
では、老後の年金資格や受給中の年金が、差押えられることはあるのでしょうか?

ほとんどの財産が換価処分されても、年金の受給資格が無くなる事はありません。
これは国民年金法や厚生年金法により、差押えが禁止されています。
また、年金は差押え以外にも、譲渡や担保としての使用も禁止です。
この国民年金法や厚生年金法にあたる年金を、公的年金と言います。
公的年金には、国民年金や厚生年金、共済年金が含まれます。
更に今現在、受給中の年金も自己破産で差押えになることはありません。

実は公的年金として現在、収めているお金は自身の積立金ではなく、現在の受給者への年金に使われています。
これを賦課方式と呼び、実質的には、自分の財産ではないと判断されます。
この賦課方式の反対が、積立式です。
人によっては公的年金の他に、個人年金を支払っている人もいます。
個人年金とは、民間の企業が出している任意の年金です。
この個人年金こそが積立式で、自分のための積立金になります。
そのため、自己破産すると差し押さえの対象となります。
また、会社によっては、年金を滞納した時点で受給資格を停止する場合もあります。

受給した年金が、口座から取り出せなくなる場合があります。
それは、銀行口座が凍結した場合です。
自己破産手続きで、破産管財人が銀行口座情報を調査します。
この際に差押えの対象になると、口座を凍結され、口座から一切にお金を引き出せなくなってしまいます。
また、年金の受給をしている銀行口座と債権者が同じ場合は、要注意です。
この場合、口座内のすべてのお金を相殺されてしまう恐れがあります。
このような事が起きないように、出来るだけ早く、年金の受給専用の口座を作るようにしましょう。

公的年金であれば、自己破産で差押えられることはありません。
また自己破産後もしっかりと受給する事が出来ます。
ただ年金受給の口座は凍結の恐れがあるので、あらかじめ、年金専用口座を設立しておくと良いでしょう。

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