妻名義の家でも夫が自己破産したら差し押さえの対象になるの?

自己破産すると、家などの物件は換価処分の対象になります。
夫が自己破産をする場合、妻名義の家は差し押さえの対象になるのでしょうか?

日本では、自己破産をする際に夫婦別産制を採用しています。
夫婦別産制とは、夫婦の一方が結婚前から所有している財産は、結婚後でも別々の財産になるという事です。
また、結婚後に購入したものでも、名義と支払い者が同じであれば、夫婦別産制に含まれます。
例えば、妻が結婚前に持っていた土地に、夫名義で家を建てた場合です。
ここで、夫が自己破産をすると、建物は差し押さえの対象になるが、土地は対象外です。
なぜなら、その家は夫名義ですが、土地は妻名義です。
このように結婚後でも名義が異なれば、夫婦別産制に該当します。

基本的に妻名義の家は、差し押さえ対象外です。
しかし、それでも差し押さえの対象となる場合があります。
それは、妻名義の家でも、支払い者が債務者である夫の場合です。
支払いに、債務者である夫のお金が使われているため、差し押さえの対象となってしまいます。
また、共同財産から支払った場合にも、同じことが言えるでしょう。
共同財産とは、結婚後に共同の預貯金の口座やお金の事です。
この場合、妻だけではなく、債務者である夫の財産でもあるため、差し押さえの対象になります。

自己破産前に、気を付けなればいけない事項があります。
それは、自己破産直前に不当に名義変更をする行為です。
きちんとした原因さえあれば、名義変更は可能です。
しかし、差し押さえを避けるための名義変更は禁止されています。
財産隠しや、不当に財産の価値を減らす行為として受け取られてしまうと、免責不許可になります。
また、その限度がひどい場合は、詐欺破産罪として、懲役や罰金を科せられてしまいます。
本当に理由があって名義変更が必要な際は、一度、弁護士に相談をしてからにしましょう。

妻名義の家でも、夫や共同の預貯金からの支払いがあれば、夫婦別産制に該当しません。
そのため、差し押さえの対象となります。
自己破産直前の差し押さえを避ける行為は、禁止されているので、絶対にしないようにしましょう。

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