裁判所の司法統計を参考にすると
個人の自己破産申立件数は、
年間でどれくらいあるのでしょうか?
自己破産における件数の推移だけでなく、
みんなの破産する理由に
ついても見ていきましょう。
1986年から1991年頃には日本で
バブル景気が続き、個人の
自己破産申立件数は11,000件前後で
推移していました。
バブル崩壊が起こると自己破産
申立件数の推移は増加一辺倒に
なり始め、2003年にはピークの
242,357件にまで伸びています。
件数として2000年は139,280件
だったので、わずか数年間で
100,000件以上増加した経緯が
見て取れます。
当時はアメリカと日本の景気悪化が
重なり、消費者金融もキャッシングの
普及に注力していた時期でした。
多重債務者が急激に増加し、
これが多くの自己破産を生む
結果につながったといえるでしょう。
もちろん多重債務者の増加は
社会問題として扱われ、2004年以降
になると逆に自己破産の件数は
減少していきます。
2006年には改正資金業法も成立し、
2010年に施行されることで
グレーゾーン金利は撤廃になりました。
自己破産の件数は2015年に
63,805件まで減りますが、
今度は銀行カードローンにおける
貸出残高の急増が問題視され始めます。
2016年の自己破産申立件数は
64,637件とわずかながら13年ぶりの
増加に傾き、2017年には68,791件まで
増えています。
複数回答可能な自己破産した理由の
調査では、最も多い理由に
生活苦と低所得があげられています。
病気や医療費のほか、失業や事業資金も
借金を作る要因になりやすく、
返済に困って自己破産する人は
少なくありません。
保証人や連帯保証人も主要な理由に
含まれますが、浪費やギャンブルを
自己破産の理由とする人は全体の
1割以下に限られています。
自己破産申立件数は2003年の
ピーク時に242,357件だったものの、
2017年においては68,791件で
推移しています。
破産する理由では生活苦と
低所得が最も多く、保証債務や
病気などが続く結果になっています。