自己破産により差し押さえが行われた場合、借金の回収のために財産の一部を失ってしまうでしょう。
しかし手元に残るものもあるため、全財産が失われる心配はありません。
また消えない借金に関する注意点もあるため、理解しておきましょう。
差し押さえにより手元に何も残らなくなると、人は最低限の生活を営めなくなってしまいます。
手元にある現金や洋服がなければ外出できず、新しい仕事を探すことも困難になってしまうでしょう。
そのため最低限必要になるものは、差し押さえの対象とはならないのです。
たとえば手元にある現金の場合、99万円までであれば自由財産として所持することが認められます。
現金がまったくなければ買い物もできず何かの料金の支払いもできないため、自己破産に関する法律により保護されています。
ただし預金口座の残高は残るものとはならず、差し押さえの対象となります。
生活に必要である冷蔵庫や洗濯機、パソコンやラジオなども残るものと言えるでしょう。
同じ家電製品が2台以上ある場合、1台は手元に残しておけるのです。
金品ではありませんが、選挙権や被選挙権などの公民権も残るものです。
支持する立候補者や政党に投票する、出馬して世の中を変える、などの行為は問題ありません。
自己破産後は住宅ローンの審査が通らなくなりますが、アパートやマンションを賃貸できる立場も残ります。
また裁判所から自己破産が認められたとしても、消えない借金もあるため注意が必要です。
非免責債権と呼ばれるものは自己破産によって逃れられないため、支払いを続けなければなりません。
税金や社会保険料などの支払う義務があるものは、滞納してはいけません。
督促状が届けられた場合は、無視しないでください。
自己破産をしても残るものを事前に理解しておけば、手続きを進めやすいのではないでしょうか。
それでも支払う義務があるものもあるため、手続きを進めたからといって過剰に安心することは禁物です。