自己破産をすると社会的に大きな不利益が
生じるのではと不安に思う方も多いでしょう。
実際その後の生活には、破産者の経済的更生を図ることを
目的とした制限がいくつか訪れることになります。
破産者となった時に制限に適切に対処できるよう、
ここでは自己破産で受ける制限と残る債務についてご説明します。
自己破産で受ける制限の1つ目は、借入制限です。
自己破産をすると信用情報機関に、事故情報として登録されます。
そのため、多くの場合5年以上、クレジットカードやカードローンなどを
新規発行できず、キャッシングなどの借金も出来なくなります。
2つ目は、職業制限、資格制限です。
公的資格を利用して業務を行う士業や管理者などの業務は、免責許可決定が出されるまで行うことができません。
また、認知症などの人の財産管理を行う後見人、保佐人、補助人などの資格も制限されてしまいます。
3つ目は、住居制限です。
こちらも免責許可決定が出されるまでとなりますが、裁判所の許可なしに旅行へ行ったり、住居を変更できなくなります。
自己破産をするとこれまでの借金が全てゼロになると思われがちですが、実は非免責債権と呼ばれる支払い義務の残る債権が手元に残ります。
例えば、公共料金や健康保険料などの税金です。
こちらは滞納していた分全てが非免責債権となります。
養育費や扶養料についても支払義務が残ります。
支払えない場合には家庭裁判所において、減額調停を行わなければなりません。
企業のトップが自己破産した場合、労働者に対する未払いの給与も非免責債権とされます。
その他、故意に起こした不法行為にもとづく損害賠償請求権も支払い義務として残ることとなります。
自己破産をすると、いわゆるブラックリストにのってしまうなど、
今後の生活におけるデメリットがいくつか考えられます。
申立ての内容によって制限される期間は変わりますので、弁護士にしっかり確認しましょう。
また、免責決定後も非免責債権が残るため、それまでの滞納分も含め、
計画的に支払っていきましょう。